Diary

pot-pourri cafeの日記的メモ

作業をしています
 同人誌の再録の作業を進めています。

 ふと思ったんですが、『子どもには知らなくてもいいことが、ある。』と『空中庭園』って別ルートの話なので、これはシリーズ扱いの方がいいんですかね……?
 登場人物は重なってるんですけど、一人いないだけで違う話になっちゃうという。
 『空中庭園』の方が正ルートなんですが、主人公がこう……曲者で……書けなかったんですよね。なんていうかこう……「なんだこいつ」ってイライラしてしまって……(苦笑)。そこでこう……バッドエンドルートを書いてから正ルートを書いたという……そういう……流れで……。
 なのでシリーズとしては『空中庭園』をメインに据えるべきなんですが、『子どもには知らなくてもいいことが、ある。』はうまくまとまったなあという印象もあり……シリーズ扱いにするのもなあ~とうなっています。
 ファイル名に通し番号を入れてるので、どっちにするか次第で番号が変わるんですよ~~~~~。気持ち的にはそれぞれ単独にしておきたいんですけど、読む方には不親切ですよね~~~~~~。どうしよ~~~~~~。(早く決めなさい)

#作品裏話(一次創作) #空中庭園 #子どもには知らなくてもいいことが、ある。
寝椅子ですべての二階を散歩
 先日の文学フリマ東京38の新刊についての備忘録のような、自作語りのような(笑)日記です。
 いつも通り、中身は隠しておきますので、ご覧になりたい方は以下からお読みいただければと思います。

 元々『ピコピコ:』を出すつもりだったのですが、いまだに納得いかないところがあり、割と早々に文学フリマ東京39に延期しようと判断していました。
 では何を作ろうかなと思っていたところ、四月に体調を崩してぶっ倒れるという有様。ほぼ四月がまるまる使えない状態でした。
 イベントに出るのに新刊がないというのは、弊サークルではやらないことにしているので、とにかく何かひねり出そうと思いました。
 幸い、そういうかけらのようなものはたくさんあり、今回は前回出した『真夏に私設恐竜博物館』と競ってぎりぎりのところで採用されなかった「世界は二階にある」から始まる短編を書くことにしました。

 実際に書いた順番は、『1992年 二階を浮遊する者よ』『2023年 二階の競技者たち』『2268年 いつか地上に戻る日まで』『2143年 遠く海の向こうの海へ』です。そのため、2143年と2268年がぱっと見設定が近そうな感じになっています。
 初めは、今『1992年 二階を浮遊する者よ』となっているものを没にして、今『2023年 二階の競技者たち』となってるものだけで一つ書くかなあという方向だったのですが、なんだか増えてしまったので全部入りました。

 『1992年 二階を浮遊する者よ』 
 一番初めに書き始めたものです。なので、割と「世界は二階にある」の書き出しから始まるスタンダードな形です。
 ただ、喫茶店でお茶飲んでるだけじゃどうにもならないんですよね、話が。もっとクラフト・エヴィング商會的になればよかったんですが、そっちの方面がうまくつかめなかったので、一回凍結していました。

 書き上げるにあたって、あっちこっちいった結果、『2023年 二階の競技者たち』と照らし合わせて、過去にしましょう、過去にするならバブルの頃かちょっと後かなあ、みたいなところから、ちょっと精神的な感じになったので、オカルトブームとか世紀末思想の影響があるかなあ、と考えて、バブル崩壊後、地下鉄サリン前の1992年を選択しました。ヨガとか、「浮遊する者よ」とかあからさまなわりに、オカルトブームなんだから銀座じゃなくて麻布十番にすればよかったじゃない、と今気づきました。今かよ。(セルフツッコミ)


 『2023年 二階の競技者たち』 
 2021年の東京オリンピックでパルクールを見て、そのあとテレビとかでもちょこちょこパルクールが流れていたので、なんとなく印象に残っていたのだと思います。あとは多分、眠かった(…)。
 窓から人がにゅるっと出てくる感じとか、そろばんを叩いてる人とか、真顔で様子がおかしくなっていますが細部がおかしいだけでそんなに変なことは書いてないような気もします。人のいない部屋から外を見ているとか、ライバルである友人と切磋琢磨してるとか。景色としては普通な景色だと思います。細部がの様子がおかしいですが。

 『2143年 遠く海の向こうの海へ』 
 『2023年 二階の競技者たち』と同じく、少し薄暗い部屋から明るい外を眺めている感じの風景ですね。こちらはもっとウッディなイメージですが。
 『2268年 いつか地上に戻る日まで』だけが時間が先すぎたので、バランスをとるために間に一つ入れようと書いたものです。そのため『2268年 いつか地上に戻る日まで』が前提になっているような内容になっています。とはいえ、特に明確につながりがあるものとしては書いていないのですが。
 場所は具体的に書いてないですが、家があるのは白金台、近所で沈んでるのは品川、遠くの崩壊するビルは汐留のイメージで書いています。白金台から汐留が見えるかは知りませんが……。

 『2268年 いつか地上に戻る日まで』 
 私の中にいきづいている『クロックワーク』シリーズや『土星マンション』みたいな風景。ビルの上や建造物に人が住んでいて、下のほうはもうよくわからない、みたいな状況の話です。かなり平和な感じですが、状況はかなりSFっぽい状況ですね。
 温暖化が行きつくところまで行ったあと、落ち着いてきた感じですね。もう大丈夫そうだから地上に戻ろう、ってなった時に、地上って結構汚くね?ってなりそうだなっていう感じです。


 読み終わった友人の青川が、「地主がいっぱい出てくる……地主文学……」と言っていて、確かにな……?となりました。地主……。地主の話を書くつもりはなかったんですけど、なんですかね……地主……。少し前に「リアルにいるすごい地主の娘」の話を聞いてすごいな……と思っていたとかそういう感じですかね……地主は免罪符……。
畳む


#寝椅子ですべての二階を散歩 #同人 #創作 #作品裏話(一次創作)
2023年 創作振り返り
 毎年恒例の、年間創作振り返りの2023年バージョンです。
 ……とはいっても、今年は体調を崩したり手術をしたりと回復がメインになっていたので、実感としてあまり何もしてないな……という感じです。
 一応振り返っていきます。

 1月 
 mysterious door8の新刊作成作業を、昨年末から続けていました。
 年末に出たミステリー系雑誌で<小市民>シリーズ最終巻発行が確定したので(結果として、2023年ではなく2024年になったわけですが)、慌てて“私が妄想した冬期”こと『君は冬に雪を掬う』を書いたり直したりしていました。

 あと、どこに出すというわけではない、自由研究的な話を書いてました。何年かに一度、腕試しというか……そういう作品を作ります。同人誌にしたりwebに出したりする話と全く毛色の違う話ばかりです。そのため毎回「だめか……」と頭を抱えることになるのですが……。

 創作とは関係ないですが、どうということのない手術を受けました。どうということはないものの切ったことは切ったので、傷口が開かないよう安静にした結果、肩こりがひどいことになりました。まだひどいです。


 2月 
 pixivに<古典部>シリーズ二次創作の『runaway girl』『Today is yours』 をイベントに先駆けてアップロードしました。新刊サンプルという意味合いと、「書きます」と言いながら十年くらい経ってしまった二次創作なので誠意として……みたいな意味合いがあります。

 自由研究的な話もまだまだ書いてました。
 が、プロットの段階で想定していたカメラ位置だとどうにもおかしいぞ、とうなっていた頃かと思います。
 お話の縦軸が弱かったんですよね。設定したカメラ位置でやるには、主人公が薄すぎた。

 SNSまわりに不安もあり、くるっぷを試してみたりしていました。結局続かなかったのですが……。
 通販まわりもいろいろ調べなおしたりしていましたね。

 毎年参加している視聴者向け絵コンテワークショップの課題を受け取って描き始めました。絵コンテを書いてみることで、何気なく見ている映像作品がどのようにできているかを意識しよう、というタイプのワークショップです。
 iPadのノートアプリを入手していたのでそれを利用して描いていました。例年手書きだったので、「これは違うな……」となると全部消しゴムで消して書き直す必要があったのですが、ノートアプリだとコピペで前後を入れ替えたりできるので「デジタルって最高!」ってなりました(笑)。


2/12 mysterious door8出展
 ミステリ小説オンリーということで出展しました。
 サークルチェックをする余裕がなかったこともあり、米澤作品スペースが私しかいないと気づいていませんでした。当日、現場で驚きました(笑)。
 これは……このジャンルの本をお求めになられる方はいらっしゃらないのでは……?と危惧していたのですが、お手に取っていただき、本当にほっとしました(笑)。ありがとうございます。


 3月 
 文学フリマで出す再録本用に、原稿に朱を入れたりしていたと思います。
 ほとんど朱を入れていないのですが、『カレーうどん・カレーラーメン論争顛末記』は細かく直した記憶があります。

 毎年参加している絵コンテワークショップに絵コンテを提出しました。先生に褒めていただいた! 今回は聴覚も使えたので私的にはかなり満足がいったのですが、まだ演出優先でイマジナリーラインを飛び越えてしまう瞬間があり、難しいな……とうなりました。来年も参加する予定です。楽しみ。

 自由研究的なお話は三月まで書くと決めていたのでがんばってみたのですが、やはりこれはカメラ位置がおかしい、つまり話の構造がそもそもおかしいという結論に至り、凍結となりました。

 なんとなく、ピアノの練習を再開しましたが、すぐ飽きました。(おい


 4月 
 引き続き、文学フリマで出す再録本の朱入れをしていました。
 あとは、再録本の表紙を作ったりしていたと思います。
 オーソドックスなデザインのシリーズにしようかと思い、本のデザインを見て回ったり、文字の位置を考えていたと思います。
 再録本の表紙に使える写真がなかったので、新宿御苑で一人撮影会をしました。ほどよく自然があり、程よく人がいて、妙に都会なのが写真映えする場所だな、と思いました。


 5月 
 前月に新宿御苑で撮った写真から何枚か表紙写真候補に選び、レイアウトに入れて試していったところ、採用した写真が一段上という感じでびっくりしました。情報量の詰まり方がよかった。
 本当は情報量の少ない写真をあえて表紙にするつもりだったんですが、あまりによかったので採用しました。


5/21 文学フリマ出展
 たいへん盛り上がったイベントでした! 本当に人がいっぱいでしたね。
 黒川さんとまた無料配布をやりました。いろんなかたにお持ちいただいたのですが、海外帰りの方が写真本を「海外の友人に送ります」とお持ちになったので、私の同人誌はどうやら地球の裏側に行ったようです(笑)。
 カメラを持っているかたが新刊の表紙をみて「これは!?」と寄ってくださりました。ふふ、いい出来ですよねこの写真、となりました(笑)。
 コロナ禍に入ってから全然会えていなかった友人にも会えました。元気そうでよかった。そして、iPhoneのメールアプリでメールを送る際、即アプリを落とすとメールがネットの海に消えるという事実が友人との会話で発覚。私が送ったメールが一通も届いていなかったという衝撃の真実!(返信がなかった時に気付け)
 そうそう。同人生活で初めて宅配搬入をしました。


 6月 
 何してただろう……ぼんやりしていたのだと思います。
 次の文フリの計画を立てたり、『ピコピコ:(仮)』を書いていたと思います。そうそうこの頃、長くイベントの展示資材として使っていた高級段ボールことダンダン段ボールを捨て、すべてmokumokuに変更しました。部屋の収納スペース圧縮のためです。
 ごんぎつねアンソロに参加表明をして、さくっと初稿を書き上げました。


 7月 
 ごんぎつねアンソロの締め切りがあったので、修正したりしながら過ごしていました。
 もちろん、『ピコピコ:(仮)』も書いていました。
 『ピコピコ:(仮)』は長年書くぞ書くぞと言っていた猫耳少女の話なんですが、書けないな、書きあがらないな、と言いながら何年もこねくりまわしていたところ、構造とかそんなに変わってないのに急に書ける!と軌道に乗ったので、不思議なものです。
 自作のスケジュールプランナーの入稿を終えました。
 サイトの日記をてがろぐに変更しました。


 8月 
 何をしてたっけ……『ピコピコ:(仮)』を書いていたと思います。
 校正検定も受けましたね。無事受かってよかったです。


 9月 
 手帳を見ると創作に関する記録が何もないです(笑)。古本祭りに行ったり、プランターに農薬をまいたりしている。あと、お友だちの発表のためにちょっと写真を提供したりしていますね。
 あと、相変わらず『ピコピコ:(仮)』を書いていたはずです。
 セルシス株を購入したので、もらった株主優待券を使ってクリスタでお絵かきして遊んでいました。
 『ピコピコ:(仮)』の表紙イメージ絵を描いて遊んだりしていましたね。


 10月 
 『ピコピコ:(仮)』の進捗の遅れと、依頼したいなと思っていたかたが絵の依頼をストップされたことが重なり、計画をもう一度練り直しましょう、という状態になりました。
 さて、何を代わりに出すか、となり、Xのアンケート機能でご意見をうかがいつつ(ありがとうございます)、恐竜の話を書くことに。


エアブー感謝祭-231027-
 申し込んだことを完全に忘れていたエアブー! メールが来てやっと思い出して慌てて整備しました。二月くらいに無料イベントをやりますよ、という話だったので申し込んだのですよね。
 今のところ、何回かオンラインイベントに参加しているのですが、いまいちピンとこないところがあり、今後出るか迷うところです。オンリーを企画してみたらいいのかしら、とは思います。


 11月 
 『恐竜』を書き、校正し、表紙を作り、印刷に出しました。同時にイベント用の掲示物なんかも作りました。前回コンビニプリントの、写真用紙でするとよいと気づいたので、今回もそうしました。楽で丈夫。
 文学フリマを終えたあとは、年賀状の絵をiPadでかいて過ごしていました。
 あと、サイトの更新をこつこつ始めました。


11/11 文学フリマ出展
 盛り上がりましたね!(二回目)コロナ禍以降人がどんどん増えているそうで、ものすごくわちゃわちゃしているな……と思っていました。一人で参加したので、割とぼんやりしてたと思います。両隣のかたがたとお菓子の交換をしたりと和やかに過ごしていました。
 新刊の冊数を抑えめにしていたのですが、ちょうどよかったようで残部がほぼないです。今後もこのくらいの冊数がいいかなーと思ったりしています。

 打ち上げでお友だちと魚卵パーティをしました(笑)。魚卵尽くしだった……魚卵……。

 詳しくはこちらに。 https://uiyun.mimoza.jp/diary/?postid=27


 12月 
 公式に、『冬期限定ボンボンショコラ事件』のアナウンスがあったため、二月に発行した本から『君は冬に雪を掬う』 をpixivに再録しました。
 ……本自体はまだ完売していないんですが……お祭りみたいなものなので……。

 同人活動には関係ないですが、住所印を作りました。
 今はもう匿名配送の時代ですから、発送には使わないんですけどね。手紙とか、年賀状とかに使おうと思います。
 年賀状には間に合わなかったんですけどね……。

 サイトの更新は相変わらず続けていますが、ひとまず全体の微調整はこの辺にして、来年は中身の方を……と思っています。



 こうして振り返ってみると、イベントに三回出て、再録+新作本を一冊、再録本を一冊、新作本を一冊、アンソロを一冊なので、思ったよりいろいろやってたんですね……。
 書くほどの成果はないですが、MMDもやってました。出来上がらないけれどカメラを付けたり、出来上がらないけれど肩のボーンを直していました。出来上がらないけれど……。
 来年はもう少し成果物を外に出していけたらなと思います。畳む


#創作ふりかえり #創作ふりかえり2023
真夏に私設恐竜博物館
 文学フリマが終わって少し経ちましたので、新刊の備忘録など……とはいっても結構忘れてしまっているのですが(苦笑)。
 自作語りが苦手な方のために以下、隠しておきます。

 もうだいぶ記憶が遠のいていてアレなんですけど……。もともと『ピコピコ:(仮)』をずっと書いていたのですが、いろいろタイミングが悪く、延期することにしました。延期を決めたのは……予定を諦めてコピー本にするかどうかをイベント一か月前くらいに判断するので……十月ごろでしょうか。そこから、書き始めたり、練習で書いていたものなどを出してきたりし始めました。
 音楽から着想を得ることが多いのですが、今回のもそれにあたります。とはいっても元の曲とは全然違う方向に行ってしまったのですが……一応何箇所か形跡は残っています。秋・冬に出した本なのに真夏の話なところとか……。
 街並みは以前行った茨城の街や愛媛の街などのイメージを混ぜてかなり寂れさせたような感じです。

 書いているうちに落としどころがわからなくなっていたんですが、ふと螺旋の通路ってコーヒーや紅茶に垂らしたミルクみたいだよなあと思ったのであんな感じになりました。もともとの施設の色の描写がそのまま生かせた結果になります。思いついたあとから微調整してないんですよ、あれ。

 語り部の性別はわざと語り落としています。一緒に行っている人も確か、語り落としています。言葉遣いから男性に読めるかと思いますが、男性的な言葉遣いの女性に読めなくもなくもない、微妙なラインです。

 表紙はクリスタの恐竜素材から。背景色を決めて、上から透明度を上げた白で図形を重ねています。図形の白はもう少し濃くても良かったかも。文字の位置は以前の同人誌と同じです。

 印刷はまたアクセアさんに頼んでしまいました。コピー本を手で作る元気がなくなっている……。アクセアさんは一般のコピーショップですが、創作なので堂々と頼めるぞ!と思っていたものの……店員さんが少し動揺した顔で渡してくれたので、受け取り店舗的に同人作家はほぼいないんだな……と察しました。またお願いします。(こら畳む


#同人 #創作 #作品裏話(一次創作) #真夏に私設恐竜博物館
 発行から三か月ほど経ってしまいましたが、11月の文フリで出した新刊『星の声を聴く子ども』について備忘録など……。
 2014年に書いた『星々の奏でる音楽と猫』が膨らみに膨らんでできた本で、結局十万字をこえてしまいました。増えれば増えるものですね。短いお話が13篇なので、ボリュームが増えた感じはあまりしないのですけども……。

 長いので一度折りますね。

表紙について
 今回の本での一番のポイントは、表紙を外部委託したことです。(中身じゃないんかい)
 SKIMAというサービスを利用して表紙イラストの依頼をしました。イラストを受注してらっしゃる方のページをいくつか拝見して、作品のイメージに合うイラストを描いてらっしゃる方に依頼しました。
 本文ができる前の依頼だったので直接お見せできる作品が少ししかなく、代わりに説明を多めにさせていただきました。色味や季節、欲しいモチーフなどなど。印刷物に慣れていらっしゃらないとのことでしたので、トンボなどの説明もさせていただきました。
 「すぐ依頼できて、すぐ絵ができる」というものでは当然なく、ある程度作業全体の早い段階で依頼して良かったです。依頼内容をまとめるのにも時間がかかりますし、私はメッセージを書くのに少し気力を使いすぎてしまうところもあり、精神的に余裕がないと無理だったなと。絵が出来上がるといよいよ作らないわけにはいかないぞ、となりますしね……(笑)。


細かいポイントについて
 星の名前は全部実在の名前にしてあります。TRAPPIST-1gもそうですね(今本文を見直したらハイフンが音引になっていてぎょっとしました)。
 ……全部地球が設定した名前なのかって言われたら困るんですが、それを言ったら方角が星座で表現されてるので、まあなんていうか、<双子>が地球人だからっていう感じですね……。
 基本的にハビタブルゾーンにしか行ってないので、<双子>の生命活動はそんなに問題ないんじゃないかなと思います。<姫君>や<海蛇>はハビタブルゾーンではないところ出身の人ですけど、詳しくは書けなかったなとか。<姫君>は割とちゃんとした服を着てるんですけど、あの人地元が暑いので民族衣装がかなり際どい衣装なんですけど、地球は寒いし常識も持ち合わせてるから学習して地球の服を着てくれてるんですよね……派手ですけど……っと話が脱線しました。

 かみのけ座の方角がはやってないのは、かみのけ座だからですね……。(?)

 星も花もですが、伝説よりは花言葉、星言葉でとっています。
 
 “僕”と“妹”の飲み物は意識してかぶらないようにしてますが、特に作中で何かあるわけではないフリでしたね……途中で設定的には逆だったな……とは思ったんですが、キャラ的には今のものなんで、まあ、こっちでいくか……と……。

 登場人物の望みを矢印で書いていくと見事にばらんばらんになるので、なんていうか、全体的にかわいそうだと思います……こんな創造主でごめんね。(…)


各話についてのアレコレ 
1)Prologue
 プロローグは書いておかないとな、と(笑)。
 何も起きないプロローグです。というか、プロローグは何も起きないものですね。
 現状説明と、何をしているかの軽い説明です。


2)星々の奏でる音楽と猫
 一番初めに書いた話。かなり加筆修正しています。
 初めに出したときは時間があまりなかったのもあり、頭の中の設定をちゃんと書ききれてないというか、説明できていなかった状態でした。この後実はいくつかバージョンがありまして、サイトにあるものを含めて、表に出していないものなど微調整だけで数パターンあるのですが、ようやく最終版(笑)という感じです。
 なるべく初めの時の文を残したまま、設定を変えたり加えたりしています。
 そうそう、本の最後のほうに出てくる<双子>のアレですが、この段階で既にあった設定なので、初出の段階で結構その辺気にして書いてました。具体的には、ある言葉と対になるはずの言葉が一切出てきません。裏設定のまま終わらなくてほっとしています……(笑)。
 

3)ラナンキュラスの別れ
 当初、書くつもりがなかった話。最後の最後のぎりぎりで追加した話です。なのである意味一番設定が固まった状態で書かれているため、全体で言うとかなり均された感じの話です。
 <蛇遣い>は名前だけ出てくる予定だったのですが、八割がたできたときに改めて全体を見直して、やはり出てきた方がいいなと判断して追加しました。
 そういうわけで、伏線なども少ない話です。ラナンキュラスについては、あとからプロローグに書き加えたので、本当に本当に最後に書き始めたことがわかります。
 この話と『ゼータ・エーリダニの嘘』を見直していただければ、何故“僕”が“僕”なのか、少しわかるような気がするかもしれません。そして、ちょっとだけ最後のニュアンスが変わるかもしれません。


4)星の子かくれんぼ
 発表順としては二番目の話。<王子様>登場回。
 この時のポエムも、最後のほうになると「呪文詠唱略!」みたいになっている、というわけです。(?
 

5)宙にひびく星のおしゃべり
 <双子>だけで話を進めるよりは、傍から見たらどう見えるのか、を書いたほうが良いと判断して書いた話。なので、警部殿は<調律師>ではありません。発表作としては三作目にあたるため、この段階で既に話のラストは決まっていたり、全体の構成を考えていたことになります。
 <調律師>からすれば自分たちの行動は科学に基づいているけれど、傍から見たら魔法以外の何者でもないよな、という話。
 そうそう、途中の「<王子様>にでもやらせればよいだろう」は「ご満足だろうさ(できないけど)」です。ふざけてますねこの人たち。いや、確かこれの初出時はその設定はなかったですね。整理していったらそういう設定になりました。語り口も似てるし。(?)


6)ステュクスのうさぎ
 季節行事みたいなことを書きたいなと思ったので書きました。なので全体からいうと中盤過ぎに書き始めた感じです。
 季節行事が先に来てるので後半がふわふわしてますね……(笑)。認めてない科学者も欲しいな回でもあります。


7)屋敷の残響
 音を<調律>できるってことは、悪用もできるんじゃない?っていう話。
 こちらが先にあったので、『ラナンキュラス』の花はこの設定に合わせて書いた……んですが……情報を出す順番が違いますね……うーん。まあ、いいでしょう(おい)。
 これは割と早い段階で書いた記憶があります。これはEpilogueと対みたいなものですね。
 なんだかよくわからない石の話とか、猫の話とかばっかりだったので、もうちょっと具体的な話にしようかなと思ったりとか、そういうのもあります。
 一人称が揺れてるのは単に心うちの言葉と外に出す言葉の違いくらいなものです。あと、基本的に信用のならない存在なので。


8)ゼータ・エーリダニの嘘
 タイトルを決めるのに苦労しました(笑)。「依存しがちな社交性」。
 <海蛇>は割と早い段階から名前だけ出ていましたね。本になると、書くつもりのなかった<蛇遣い>の方が先に出てきてしまいましたが(笑)。
 この話はわりとずっと書いてました。『星の声を聴く子ども』が出るのにもう少し時間がかかっていた場合、シングルカット(?)として同人誌になるのはこの話だったはずです。間延びする話し方はやりすぎじゃないかとか、どこを間延びさせるかとか、そんなことを考えていました。ここで割と納得したので、キャラクター小説方面に振る気になったところはあります。
 <海蛇>はそんなに悪い人じゃないとは思います。あと、多分、地球の人間より長命だと思います。割とまじめな性格だけれど社会性がある性格でもないので、将来的には何でも屋さんとか、探偵とか、なんかそういう感じになると思います。<双子>とも長い縁になることでしょう。


9)憂鬱なペンギン
 タイトルで死ぬほど苦労しました。だってこれ、とある洋書のタイトルそっくりじゃないですか。(…)
 <姫君>は割と本文中に出すつもりだったんですが、罵詈雑言の語彙がなかったためにいまいち出すことができませんでした(笑)。冒頭だけは割と早い段階からあったんですが、形にならないならない(笑)。そうそう、途中まで<姫君>と<お姫様>で表記ゆれもありましたね……いまだにどっちだったかわからなくなったりします。(こら
 「理由はないけどとにかく嫌いな人」って現実にはいるけど書くのが難しいなと。文字にすると何らかの理由が欲しくなってしまいますね。全体を見渡してみると出すつもりのなかった<蛇遣い>の方がしっかりとした登場人物感がありますね……うーん。
 <姫君>が“僕”のことに気づいているかどうかは微妙なラインだと思っています。少なくとも<姫君>は“妹”は明確に嫌いですが、“僕”個人となると多分<双子>というペアでしか認識してないので。気づいているならもうちょっと“僕”が嫌いなんじゃないかなと思います。主に『未来の約束』的な意味で。


10)<双子>について
 証言みたいなものをまとめておこうと思いました。誰が見ているのか、誰が集めているのか、というのも含めて。
 <天秤>は二人で話しているのもあり、思いのほかおしゃべりなのもあり、長くなってしまいました。
 これも中盤くらいに書きましたが、セリフだけなのでかなりするっと書いてしまった記憶があります。
 できるならもうちょっと「こいつ本文にいなかっただろ!」みたいな人の証言も入れたかったんですけど……そこまではちょっと手が回りませんでした。


11)秋の日の寂寞
 お姉さんですが、お姉さんもそんなに悪い人じゃないと思います。元<調律師>ですしね、色々わかることもあるでしょう。ただまあ、仕事と、個人的な感情はまた別ですよねっと。少なくとも、お姉さんはどちらかを選ぶ以外なかったし、実際選んでみせましたよっと。
 これもたしか中盤くらいに書いたような気がします。タイトルは最後のほうまで決まりませんでしたけど……。


12)未来の約束
 微妙なラインですよね、微妙な。
 私はこれを友情だとは思っていませんよ。と、いうか、書いたり直したりしている間に随分と友情を逸脱してしまいましたね。なんでや。
 うちの子にしてはがんばったんじゃないですかね、<王子様>。相手が相手だったのでなんていうか、かわいそうに。


13)北の休暇
 どんなに常識的な顔をしてたって、結局<王子様>も<調律師>なんだなあと。
 絵にすると大柄の男二人がそそれぞれ寝椅子に寝転がってぼそぼそしゃべってる、しかも一人はほとんど独り言という状態なので、バランスがめちゃくちゃになりかけたり、ほどほどになったり、調整がややこしかった記憶があります。
 <姫君>について、"僕"の<王子様>とそんなに仲良くなさそうという証言と、“妹”と相性が悪いという証言くらいしかないのでなんですが、仲良くないはずの人にわざわざ絵葉書を送って遊びに来いというのは、まあ、そういうことです。妹につっかかっていくのもそういう部分も含まれているかと思いますが、つっかかるのはそっちじゃないよっと。あと多分<姫君>が送ってきた絵葉書は、地球人基準だとかなりセクシーショットだと思います。<姫君>もかわいそうに。


14)Epilogue
 ちゃんとPrologueと対になっています。なっているのか?
 最後。ラストシーンはこれしかないと思っていましたので、シリーズになった瞬間からここの向かって書いていました。ただかなり当初の想定からかなりニュアンスが変わっています。予想以上に“僕”が人間性と社会性を獲得してしまったので……。これ、“妹”は当初の想定と同じニュアンスのままなんですけどね……一人称だから……。『未来の約束』がなければあるいは当初のニュアンスのままだったのでは、とは思います。
 そうそう、ぎりぎりまでソファをどうするか迷ったんですが(笑)、ああいうことになりました。
 
 というわけで、振り返りでした。
 あとがきに書いた通り、<双子>の話はこれで終わりです。<双子>はもう葛藤する存在ではなくなったのでもう主役はやれません。(一貫して妹の一人称がないのはそういうことですね)
 この先を書くとしたら葛藤する人物は<王子様>になるでしょうが……うーん、<海蛇>と喧嘩するだけでしょうね。<双子>も多分、<王子様>には頼らないけれど<海蛇>には頼るでしょうから、いやあ、喧嘩するでしょうねえ。
 多少、「ばかもん、そいつがルパンだー!」みたいなことは書きたい気持ちもあるんですが(笑)、落としどころがないというか、そこまで書いてしまったらもう、完全に『xxxHoLic』(主に籠以降)だよねって感じなので……(笑)。
 
 この間ふと思ったのですが、<双子>はもう<調律師>ではなくなったので、改めて何か肩書を付けるなら<指揮者>になったのかもしれませんね。興行主に会ったことのない<指揮者>ですけど。
畳む


 以上、備忘録でした。何か思い出したら追記します。

#作品裏話(一次創作) #星の声を聴く子ども
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